■口腔外科(親知らず抜歯と再生歯科医療)
((質問1)) 親知らずは必ず抜いた方が良いのでしょうか?
((回答1)) 答えはNoです。
たとえ曲がって生えていても痛くなければ多くのケースでは抜歯不要と考えられます。痛みや腫れがあってもその頻度が少なく、内服薬で押さえられるならば抜かなくてもよいでしょう。あるいは通常の虫歯治療で治癒が望めるならば治療後に経過観察していれば大丈夫です。
将来万が一、ケガや病気で再生治療が必要となった際に、親知らずの神経細胞から幹細胞を取り出して必要臓器を再生し、健康回復に役立つかも知れませんので、可能ならば抜かずに大事に保存したいところです。九段ブルー歯科は”歯髄バンク”の提携医療機関ですのでお気軽にご相談下さい。
また、ケースによっては親知らずを別の場所に移植することも行われますので無計画に抜いてしまうことは避けるべきと考えます。
((質問2)) 私は高血圧症です。親知らずを抜歯しても大丈夫ですか?
((回答2)) 症例によりますが収縮期血圧が160mmHg以下でしたら抜歯可能と思われます。生体モニター(心電図、血圧、血中酸素飽和濃度の測定装置)を装着しながら対応します。また、場合によっては、かかりつけの内科医と連携して抜歯の適否を判断します。
((質問3)) どんな親知らずでも抜いてもらえますか?
((回答3)) はい。ほとんどのケースは対応可能と思われます。3D-CT を撮影して精密診断を行った上で抜かせて頂きます。
ただし、太い神経に接触しているケースで抜歯後に神経麻痺が起こると予想される場合、太い血管に近接しているケースで止血が難しいと思われる場合、上顎洞に歯根が入り込んでいるケースで炎症が広範囲に及ぶと思われる場合、あるいは他の疾患との関りで入院して全身管理を行いながら抜歯するのが適切な場合等では大学病院をご紹介致します。

((質問4)) 別の歯科医院で顎の幅が足りないのでインプラントは無理と断られました。部分入れ歯は嫌なので何とかなりませんか?
((回答4)) 確かにインプラントが出来ないケースもありますが、3D-CT をお撮りして分析した後に詳しく説明させて頂きます。

上のX線写真は撮影した患者さんの正面から見たCT像です。
右側は初診時です。黄色矢印部分が大きく窪んでいて顎の骨が大きく吸収しているのが分かります。
左側はインプラントを植えて6か月経過後のCT像です。青色矢印部分には炭酸アパタイトの人工骨(GCサイトランス・グラニュール)を充填し、治癒促進効果のある人工膜(GCサイトランス・エラシールド)で覆いました。これらの材料は再生医療のためのバイオマテリアルです。
人工骨は時間の経過とともに半年~1年をかけて吸収され、本物の骨と置き換わります。人工膜も同様に吸収されます。経過は順調で新たな顎骨の再生が認められます。