
■総義歯
九段ブルー歯科<市ヶ谷>ではドイツの歯科材料メーカー ヒデント社が世界に先駆けて開発したインコバック・システムという製造装置と義歯用材料を使用し、総入れ歯(総義歯)を製作しています。
インコバックは寸法精度が長期間にわたって安定していることが特徴です。これは精密な噛み合わせを再現でき「良く噛めて」、しかも何年経っても「ぴたっと吸い付いている総入れ歯」が作れるということです。
[上図はチョーワ株式会社ウェブサイト「インコバック・システム説明図」を改編させて戴いています。]
なぜなら、今日主流の義歯製作方法は、義歯のプラスチック部分(レジンと言います)に圧力をかけ固める加圧重合法と呼ばれるものですが、この方式とは違い、インコバック・システムは加圧と減圧を同時に行う加圧減圧重合法を用いて、義歯のプラスチック内に残る細かな気泡を減らし寸法精度を向上させています。その結果、正確な噛み合わせを再現でき、長期間にわたり顎にピタっと吸い付く総入れ歯の作製が可能になりました。
もう一つの長所をご紹介します。一般に義歯用プラスチックはポリマーとモノマーという重合基質が鎖のように絡み合って重合(固まること)するのですが、余剰のモノマーがプラスチック内に残り、これが顎の粘膜を刺激し、さらに遅延性の変形原因にもなってしまいます。インコバックレジンはこの残留モノマー量が極めて少ないという特性を持ち、ヨーロッパでは生体親和性良好な材質との高い評価を得ています。
1990年代半ばにはインコバック・システムを応用し、当院長と歯科技工士の佐竹功行氏が共同研究開発した新しい概念の総義歯(総入れ歯)プロトタイプがVHSデンチャーデザインとして歯科専門誌に発表されました。
